その違い、知っていますか?
ーリモデル・リフォーム・リノベーションの言葉の違いに迫るー

「リフォームしました」「リノベーション物件です」「リモデルプランをご提案します」住宅に関する広告や会話の中で、よく耳にするこれらの言葉。
なんとなく雰囲気で使っていませんか?
その違いを整理しておくと、住まい選びや施工の相談の際に、誤解なく的確な判断ができるようになります。
この記事では、私たちボウクスがあえて「リモデル」という言葉にこだわる理由とともに、「リフォーム」「リノベーション」「リモデル」の違いを紐解いていきます。
「リフォーム」「リノベーション」「リモデル」
ー言葉の背景とイメージー

まずは、それぞれの言葉の意味と捉え方を見てみましょう。
- リフォーム(Reform)
日本で最もなじみのある言葉ですが、実は和製英語。本来の英語では、制度改革や政治の改革を意味し、住宅分野での使用は一般的ではありません。日本では「古くなったところを新しく直す」=原状回復や修繕のイメージで使われることが多いです。 - リノベーション(Renovation)
近年浸透しつつある言葉で、「古い建物に新たな価値を加える」こと、とされています。間取り変更や内装一新、性能向上を伴うこともありますが。多くの場合、オーナー自身の趣向に応じて行うことが一般的です。日本での使われ方にはまだ幅があり、明確な定義が曖昧なまま使われがちです。 - リモデル(Remodel)
欧米では最もポピュラーな表現。単なる修繕ではなく、「空間を新たに作り直す」「暮らしを見直し、より良く整える」という意識が強いのが特徴です。「家族が増えた」「年齢を重ねた」といった様々なライフスタイルのうつろいはもちろん、将来的にオーナーが変わることも踏まえた設計が求められます。総じて言えることは、単なる“直す”ではなく“暮らしを再設計することでその価値を維持向上させる” のがリモデルだということです。
リフォーム・リノベーションとリモデル、最大の違いは?

リフォーム・リノベーションを「日本型」リモデルを「欧米型」と考えた時、その最大の違いは「連続性の有無」です。
リフォームやリノベーションは、劣化した箇所を補修したり、新しい設備に入れ替えたりといった「現在の問題を解決するための改修」にとどまることが多く、暮らしの断面に点的に介入するような性格を持っています。
一方で、欧米型のリモデルは、住まいを人生の変化とともに成長・変容する器として捉え、「将来を見据えた暮らしの再設計」として行われます。
そこには、「今の自分」だけでなく「これからの自分たち」や「次の住まい手」までを視野に入れる思想が存在します。

もうひとつの大きな違いは、意思決定の軸の置き方です。
日本のリフォームやリノベーションは、施主の個人趣向に基づく「自分らしさ」や「その時々の好み」が強く反映される傾向があります。
自由度が高い反面、「今だけ」「自分だけ」に最適化された改修は、将来の暮らしや他者の視点に耐えうる“連続的な価値”にはなりづらい側面があります。
一方アメリカでは、ホームプランやデザインコード、HOA(住宅地自治会)などの仕組みが意思決定をサポートします。
その結果、個人の好み偏りすぎることなく、美観や機能性、資産性を保ちながらリモデルが進められるのです。
違いのまとめ
これまでの内容を踏まえ、“言葉の成り立ち”や“目的”、“設計思想”などの視点から3つの用語の違いを整理してみます。
| 項目 | リフォーム | リノベーション | リモデル(欧米型) |
|---|---|---|---|
| 言葉の成り立ち | 和製英語(制度改革が語源) | 英語(刷新・価値再構築) | 英語(形を変える・再構成) |
| 主な目的 | 老朽部分の修繕・原状回復 | オーナーの「要望」に基づく性能や機能の向上・刷新 | 暮らしに合わせた再設計・価値の維持と向上 |
| よくある施工例 | クロス貼替、設備交換や改修 | 間取り変更、断熱強化、内装一新 | コンセプト設計、ゾーニング変更、将来対応設計 |
| 意思決定の軸 | 施主の趣向・生活スタイル重視 | 施主の趣向・生活スタイル重視 | 暮らし+地域・将来の住まい手まで含めた設計視点 |
| 思想的な特徴 | 現在の問題を解決する“一点改修” | 暮らしを刷新する“現在最適化” | 暮らしの連続性を重視する“未来への架け橋” |
| 発想の主体 | 建物中心 | 空間中心 | 人(暮らし)中心 |
| 長期的な資産性 | 低い(中古評価が落ちやすい) | 中間的(内容次第) | 高い(将来の需要や市場価値を意識) |
| ガイドラインの有無 | ほぼなし(自由度が高いが定義は曖昧 ) | ほぼなし(自由度が高いが定義は曖昧) | ホームプラン・デザインコード・HOA等のガイドラインがある場合が多い |
なぜ日本では「リフォーム」や「リノベーション」が主流なのか?

日本の住宅観が「リフォーム」や「リノベーション」を選ばせる背景には、制度と文化の問題があると言えます。
日本では、長らく「住宅=消耗品」として捉えられてきた歴史があります。
特に木造住宅の場合、税法上20年余りで建物の価値が償却されるため、多くの住宅が最終的には空き家となったり、取り壊されたりする運命をたどります。さらに、修繕に対する明確な評価基準が確立されていないことも相まって、住宅は資産として蓄積されることなく、「消費財」としてその役目を終えてしまうのです。
一方でアメリカでは、住宅の価値は「マーケットの需要と供給」によって決まります。
新築か中古かにかかわらず、デザインやコンディション、立地、景観といった要素が需要の基準を満たしていれば、その住宅には十分な価値が認められます。
そのため、住まい手自身がその価値を維持・向上させるために修繕やリモデルを行い、住宅を大切に使い続ける文化が根付いています。
古いものを活かしながら、自分たちのライフスタイルに合うように再構築していく、ひいては未来のオーナーのことも見据えた「リモデル」がスタンダードであるのも、そうした背景によるものです。
「リモデル」の面白さと、ボウクスのこだわり

リモデルには、答えがひとつではない自由さがあります。
たとえば、単なる水回りの更新ではなく、
- 壁を取り払って生活動線を適切にする
- 限られた空間に対し、タイルで床のゾーニングをする
- 家族の成長やオーナーの生活スタイルにあわせてブラッシュアップする
そういった「暮らしから考える設計」がベースにあるのです。ボウクスは、そんな「欧米型リモデル」の考え方に深く共感しています。私たちが扱うタイルも、単なる素材ではありません。「空間をどう感じたいか」「日々の営みに何を加えたいか」という問いに寄り添う、 “暮らしの質”そのものを支える設計要素でもあります。
タイルがつなぐ、リモデルという新しい視点

たとえば、欧米の家には“タイルのある暮らし”があたりまえ。水まわりはもちろん、玄関、キッチン、リビングの一角にも個性あるタイルが使われています。それは「空間を楽しむ」文化のあらわれ。ボウクスは、日本でもそんな文化を根付かせたいと考えています。
“リフォーム”でも“リノベーション”でもなく「暮らしから始まる空間づくり=リモデル」という発想を、タイルからお届けします。
まとめ:言葉が変われば、住まいの価値観が変わる

ボウクスは、日本でまだ浸透していないこの言葉に、これからの住まいづくりの未来があると信じています。そして、 “リモデルといえばボウクス” と感じていただけるよう、これからも一つひとつのご提案に、丁寧に心を込めていきます。
もっと知りたい方へ:「欧米型リモデル」の実例をご紹介します
ボウクスでは、「リモデル」=暮らしを再設計するという視点から、多くのお客様と一緒に空間づくりを行ってきました。
たとえば…
🔶 After:フィンランドサウナが楽しめる、ホテルライクな贅沢空間を実現しました。
🔶 After:キッチンとリビングを隔てていた壁を撤去し、LDK一体型の広々とした開放的な空間へと再構成。料理をしながらご夫婦で会話ができる温かい空間となりました。
神奈川・東京近郊にてタイル施工可能です。
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そんな方は、ぜひボウクス・タイルマーケットに一度ご相談ください。
- 創業60年以上!タイルを活かしたデザインリモデルの実績多数!
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