この記事の監修:ボウクス・タイルマーケット 編集部

屋外のテラスやバルコニーに、厚物セラミックタイルやウッドデッキタイルを敷きたい。しかし、下地に勾配があったり、配管や設備の上を覆ったりする必要があり、施工は簡単ではありません。下地を平坦に造作するモルタル工事には時間とコストがかかります。
「Fixplusレベリングシステム」は、耐候性樹脂製の支持脚でタイル・ウッドデッキ材を支え、本体を回すだけで高さ調整できるデッキ施工用部材です。下地工事を簡略化しつつ、フラットで美しいデッキ面を実現します。
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Fixplusレベリングシステム 一覧 →屋外デッキ施工の2つの方法|湿式工法と置き敷き工法
屋外デッキにタイルを施工する方法は、大きく分けて2種類あります。Fixplusレベリングシステムの位置づけを理解するために、両者の違いを知っておきましょう。
湿式工法|長年タイル業界の標準である伝統的な方法
地面にコンクリートで基礎を作り、その上にモルタルでタイルを接着していく工法です。タイル業界では長年にわたり標準とされてきましたが、DIY施工で挑戦するにはハードルが高い工法でもあります。主な理由は以下の3点です。
① 天候に左右され、養生期間が長い
モルタルが水で固まる性質上、雨天や冬の凍結時は施工不可。完全に硬化するまでの養生期間を要し、工期が長期化する傾向があります。
② 水平と排水の両立が難しい
水を流すためには勾配が必要ですが、勾配をつけるとフラットな仕上がりとの両立が難しくなります。基礎を高くしすぎると、住宅の床下換気口を塞ぐリスクもあります。
③ 将来の改修・撤去に大きな労力が伴う
タイルとモルタルが一体化しているため、剥がすには下地ごと砕く「はつり工事」が必要。騒音・粉塵・産廃処理など、改修コストが膨大になります。
置き敷き工法|DIYでも扱える現代の方法
モルタルや接着剤を使わず、樹脂製の支持脚やスペーサーでタイルを「置いて」並べる工法です。Fixplusレベリングシステムは、この置き敷き工法のうち、屋外デッキの高さ調整に特化した支持脚タイプの製品です。
支持脚を回すだけで水平を出せるため、勾配のある下地でもフラットなデッキ面を実現できます。タイル間の隙間から雨水が床下に落ちるため、表面に水勾配を作る必要もありません。さらに、タイルが固定されていないので、将来的に部分交換や撤去をしたいときも、一枚ずつ外すだけで済みます。
これらの利点により、従来はプロの専門領域だった屋外デッキ施工が、DIY層でも現実的に扱える領域になりました。
| 比較項目 | 湿式工法 | 置き敷き工法 |
|---|---|---|
| 下地 | コンクリート基礎+モルタル | 既存の下地に支持脚を配置 |
| 工期 | 長い(養生期間が必要) | 短い(即日〜数日) |
| 天候への影響 | 大きい(雨・凍結で施工不可) | 小さい |
| 水平調整 | 職人技に依存 | 支持脚を回すだけ |
| 改修・撤去 | 困難(はつり工事が必要) | 容易(一枚ずつ外せる) |
| DIY適性 | 低い(プロ向け) | 高い |
※湿式工法は、建物と一体化した強固な施工が求められる用途では今も標準的に選ばれています。DIYでの屋外デッキ施工においては、置き敷き工法が現代の主流です。
システムの基本構成|各部材の役割を理解する
Fixplusレベリングシステムは、「支持脚本体」を中心に、目地部スペーサーやタイル用がたつき防止用パッキンなどの周辺部材を組み合わせるシステムです。各部材が連携することで、フラットで安定したデッキ面を作り出します。ここでは、基本構成となる主要部材を順番にご紹介します。

① 支持脚本体(BS60シリーズ)
システムの中核となる、耐候性樹脂製の支持脚です。本体のネジ部を回すことで高さが変化し、上に載せるタイルの高さ・水平を調整します。タイル4枚の交点に1個ずつ配置するのが基本的な使い方です。
② 高さ調整レバー
支持脚本体のネジ部を回転させるための専用レバーです。本体の高さ調整作業をスムーズに行うための補助部材として使用します。
③ 目地部スペーサー
支持脚本体の上部に取り付けて、タイル間の目地幅を均等に保つ部材。標準は目地幅3mmですが、2mmと4mmのオプションも用意されています。
④ タイル用がたつき防止用パッキン
支持脚本体上部とタイル裏面の間に挟む弾性パッキン。黒色と白色の2タイプがあり、タイルの色やデザインに合わせて選べます。
⑤ シールスポンジ(壁面保護目地シール)
デッキの端部、壁面に接する部分で使うスポンジ製のシール材。壁面とタイル端部の間に挟むことで、壁面を傷つけずに納まりを整えます。
Fixplusレベリングシステムの6つの特徴

① 本体を回すだけで高さ調整
本体のスクリュー部を回転させることで、最小32mmから最大250mmまでの広い範囲で高さを無段階調整できます。下地に勾配があっても、各支持脚を個別に微調整することで、上面はフラットなデッキに仕上げられます。
② 耐候性樹脂製・軽量設計
本体は屋外環境に対応した耐候性樹脂(プラスチック)製。-40℃〜+80℃の幅広い温度変化に耐え、屋上・ベランダ・テラス・プールなど、紫外線や水分にさらされる場所でも安定して機能します。軽量素材のため、施工時の作業負担も軽減されます。
③ 目地から雨水を直接排水
タイル間の目地から、雨水が床下空間にそのまま落ちて下地へ排水される仕組み。タイル表面に水勾配を作る必要がなく、水たまりが発生しにくい構造です。湿式工法で問題になりがちな「フラットと排水の両立」を、システム自体が解決しています。
④ 下地を傷つけない・下地を選ばない
接着剤やモルタルを使わず、支持脚を置くだけの置き敷き構造のため、防水層を傷めません。屋上の防水シート上、既存タイル上、コンクリート上など、下地を問わず施工できます。これにより、マンション屋上や既存テラスのリフォームでも活躍します。
⑤ 床下空間にケーブル配線や点検が可能
支持脚で持ち上げる構造のため、タイル下部に空間ができます。ガーデンライトの配線や散水ホースを通したり、配管点検のためにタイルを部分的に外したりすることが可能。湿式工法では実現できない、メンテナンス性の高さが特長です。
⑥ 厚物セラミックタイル用とウッドデッキ用の2系統
仕上げ材に応じた本体ラインナップを用意。BS60シリーズは厚物セラミックタイル(20mm厚等)向け、BSW60シリーズはウッドデッキ材向けです。同じレベリングシステムの考え方を、タイルにもウッドにも適用できます。
製品ラインナップ|高さ調整範囲の代表サイズ
Fixplus BS60シリーズは、現場の高さ要件に応じて10段階の本体サイズから選べます。隣り合うサイズで調整範囲が重なるため、ほぼあらゆる高さに対応可能です。代表的なサイズは以下のとおりです。
| 型番 | 高さ調整範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|
| BS60-01 | 32〜38mm | 最も低い設置高さ・既存床面のかさ上げ |
| BS60-03 | 53〜75mm | 標準的なバルコニー・テラス |
| BS60-05 | 102〜130mm | 屋上デッキ・勾配のある下地 |
| BS60-10 | 220〜250mm | 最大高さ・大きな段差解消 |
※BS60-02/BS60-04/BS60-06/BS60-07/BS60-08/BS60-09の中間サイズも展開しています。
※ウッドデッキ用のBSW60シリーズも同様に10段階の高さ範囲を展開しています。詳細はシリーズ全21商品一覧をご確認ください。

オプション部材で広がる施工範囲
基本構成に加えて、現場条件や仕上がり精度の要望に応じて使えるオプション部材も用意されています。Fixplusの柔軟性を支える、補助的な部材群です。
セルフレベリング部材|5%までの勾配を自動調整
下地に勾配がある場合、各支持脚に、セルフレベリング部材を使うことで水平を出せる仕組みです。最大5%の勾配まで対応します。システム上部に取り付けるタイプと下部に取り付けるタイプの2種類があり、現場条件で使い分けます。
立ち上がり納め部材|デッキ端部の蹴込み板を同じタイルで仕上げる
デッキの側面立ち上がり部(蹴込み板)を、上面と同じセラミックタイルで仕上げるための部材群。「立ち上がり納め部材 延長材」と「立ち上がり納め部材 側部受付」、「立ち上がり納め部材 端部用ディスク」で構成され、見た目に違和感のない一体感のあるデッキ仕上げが実現します。
高さ調整敷設パッド|低い設置高さ用の補助部材
本体BS60シリーズの最小高さ32mmよりさらに低い設置高さが必要な場合に使うパッドタイプの部材。SP-10は10〜15mmの範囲で1mm単位の調整が可能、SP-5を重ねて使用すれば15〜30mmまでの調整に対応します。通常タイプと、より弾力性の高いパッキンソフトタイプの2種があります。
その他のオプション部材
- 延長材(調整高さ50mm/70mm):基本本体に追加してさらなる高さ調整を実現
- 目地スペーサー(2mm/4mm):標準の3mm以外の目地幅に対応するオプション
- 根太固定プレート(BSW60用):ウッドデッキ用の根太を横からビス固定するためのプレート
使い方の基本フロー

- 下地に支持脚を配置:施工面に支持脚を所定の間隔で並べます。
- 本体を回して高さ調整:スクリュー部を回転させて、必要な高さに合わせます。
- 勾配の調整(オプション):セルフレベリング部材を使えば、5%までの勾配を調整できます。システム上部に取り付けるタイプと下部に取り付けるタイプの2種類があります。
- タイル・ウッドデッキ材を載せる:支持脚上部の目地タブで均等な目地幅を確保しながら、仕上げ材を配置します。
- 端部処理:壁面に接する箇所は、本体端部を鋸でカットして納めます。
▲ 雨水処理についてのお願い
20mmセラミックタイルでデッキ施工を行う場合、タイル勾配がレベルになるよう施工してください。雨水が表面張力でタイル表面に残る場合は、ほうきやゴムへら等で目地隙間に水を落としてご使用ください。
こんな現場で活躍します
● 屋上・ルーフバルコニーのデッキ化:防水層の上に直接モルタル施工ができない場面でも、レベリングシステムなら防水層を傷めずにデッキを構築できます。マンション・ビル屋上の活用に最適です。
● マンションのバルコニー・テラス:住宅の2階・3階リビングに隣接するバルコニーをテラス空間として活用。リビングからテラスへ、バリアフリーで一体感のある空間が作れます。
● プールサイド・水まわり空間:耐候性・耐水性を活かし、プール周辺やウォーターガーデンなど、常に水にさらされる環境でも安定して機能します。
舗石施工も検討している方へ|舗石スペーサーとの関係
Fixplusレベリングシステムは、屋上・バルコニー・テラスなどへのデッキ施工に最適化された支持脚システムです。本記事で紹介してきた使い方は、このデッキ施工が中心となります。
加えて、庭や公園の砂利・芝生表面への「舗石」の置き敷き施工も検討している場合は、「舗石スペーサー」がおすすめです。舗石スペーサーは、Fixplusレベリングシステムのオプション部材としても販売されており、デッキ施工と舗石施工の両方を検討している場合は、両方を揃えることで施工範囲を広げられます。
Fixplusレベリングシステムで完結するケース
- 屋上やバルコニーにデッキを作りたい
- 防水層を傷つけずに施工したい
- 勾配のある下地でフラットな水平面を出したい
舗石スペーサーが必要なケース
※舗石施工も並行して検討されている方は、 舗石スペーサーの詳細記事もあわせてご覧ください。
仕様
| 商品名 | Fixplusレベリングシステム シリーズ |
|---|---|
| 用途 | 屋外デッキ施工の高さ調整(屋上・ベランダ・テラス・プール等) |
| 本体ラインナップ | BS60(厚物セラミックタイル用)/ BSW60(ウッドデッキ用) |
| 調整可能高さ | 最小32mm 〜 最大250mm(無段階調整) |
| 勾配調整 | セルフレベリング部材使用時、最大5%まで自動調整 |
| 材質 | 耐候性樹脂(プラスチック) |
| 関連商品 | ジャイアントレベリングシステム(250mm超の高さ対応)、アルミレールデッキシステム |
※具体的なサイズ・適合タイル厚・入数等は、各商品ページをご確認ください。
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Fixplusレベリングシステム 一覧 →よくあるご質問
Q. BS60とBSW60はどう使い分けますか?
仕上げ材によって選定します。BS60は厚物セラミックタイル(20mm厚等)を施工する際に、BSW60はウッドデッキ材を施工する際にお使いいただきます。具体的な適合は、施工する仕上げ材の仕様に合わせてシリーズ一覧からご確認ください。
Q. 250mmを超える高さで施工したい場合はどうすればいいですか?
Fixplusレベリングシステムの調整範囲は32mm〜250mmです。これを超える高さが必要な場合は、上位グレードの「ジャイアントレベリングシステム」または「アルミレールデッキシステム」をご検討ください。お気軽にご相談いただければ最適な部材をご提案します。
Q. 下地に勾配がある場所でも使えますか?
はい、各支持脚の高さを個別に調整できるため、下地に勾配があっても上面はフラットに仕上げられます。最大5%までの勾配であれば、セルフレベリング部材を使うことで自動調整も可能です。
Q. 重歩行エリアや駐車場でも使えますか?
レベリングシステムには製品ごとに耐荷重の規定があります。設置場所や上部に設置する部材の状況によって、安全に使える条件が異なります。重歩行エリア・駐車場での使用は、施工内容を当社までご相談ください。
Q. 壁際など端部の処理はどうすればいいですか?
壁面に接する端部では、レベリングシステム本体の端部を鋸でカットし、壁に擦り付けるように設置してからタイルを敷設します。これにより、壁際も自然に納められます。
Q. DIYでも施工できますか?
本体を回して高さ調整する仕組みは、本格的なDIYであれば対応可能です。ただし、面積が広い場合や勾配のある下地での施工は、専門知識が必要になることもあります。施工動画や説明資料を確認のうえ導入をおすすめします。
まとめ
Fixplusレベリングシステムは、「下地工事を簡略化しながら、屋外デッキの精度を確保する」高さ調整システムです。屋上・テラス・プールサイドなど、エクステリア空間を活用したい現場で、施工スピードと美しい仕上がりを両立できます。
なお、そもそもなぜタイル本体だけでなく、施工ツール・メンテ資材が重要なのかという根本的な話は、別記事「プロが選ぶタイル施工ツール・メンテ資材4選」で、タイル施工で使われる施工ツール・メンテ資材の全体像については、別記事「タイルの施工ツール・メンテ資材の完全ガイド|全10カテゴリの役割と選び方」扱っています。あわせてご覧ください。
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