DIY材料や水まわりのアクセントに人気のモザイクタイル。タイルがもともと持つ「壁床の保護」という建築材料の役目を超え、アートとしての魅力に溢れるこのアイテムについて、今回は歴史的な観点を交えながらご紹介いたします。
モザイクタイルとは
「モザイクタイル」という呼び方。どこからどこまでがモザイクタイルなの?というお問い合わせがあるとすれば、表面積が50平方センチメートル以下のタイルを指すときに使うのが正解です、という回答になります。(一般的にこの言い方は、大きさによる分類をしたときに呼ばれる呼称ということになります。)
サイズはわかった。では材質は?モザイクタイルと一言でいっても、陶磁器をはじめ、大理石、天然石、ガラスなど、その素材は様々。一粒ごとの形状も、きれいな正方形から叩いて割ったような不揃いなピースのもの、丸・三角・花・ハート・ランタン・・・!素材×形状で考えただけでも、想像もつかないほどの多彩なラインナップが世界中に存在しているタイルなのです。このバリエーションの豊かさも、人々を魅了する要因のひとつかも!
モザイクとは
そもそもモザイクという言葉自体は「技法」としての要素をもち、「小片を寄せ合わせ埋め込んで、絵や模様を表す装飾美術の技法」とされています。
こどものころ図画工作でやったような「ちぎり絵」も、モザイクアートのひとつと言えますね。
歴史
その歴史は古く、世界最古のモザイクは紀元前3000年ごろ、神殿の円柱に施されたものであるとされています。円すい形のテラコッタ「クレイペグ」を差し込む形で作られたそれらは、ほぼ変わらない姿で現存しているというのだから驚きです!
日本ではじめてモザイクタイルがお目見えしたのは、1910年(明治43年)。愛知県名古屋市で開催された第10回関西府県連合共進会(いわゆる万博的なもの)で、伊奈製陶所の創業者・伊奈初之丞さんというひとが「陶製モザイク」という名称の日本初のモザイクタイルを出品しました。
ちなみに、伊奈製陶所はのちの「INAX(現LIXIL)」です。イナックスの”イナ”は人名からきているのですね〜!(ちなみに、ちなみに、”ックス”=は未知数を示す”X”を現しています!)
LIXIL商品一覧
モザイクタイルができるまで
タイルを焼き上げるための「窯(かま)」。それはタイル製造工程において、とても重要なファクターであるといえます。モザイクタイルを焼成するのに使われているのは「トンネル窯」といわれるもの。
名前の通りトンネル状の部屋の中を、台車に積まれたタイルが少しずつ移動しながら焼きあがっていくことで、均一なタイルを大量に製造することができるという仕組みになっています。
プレス機などで成形されたタイルに釉薬を吹き付け、乾燥。その後「さや」という白いお皿なようなものに乗せられたタイルのたまご(?)たちは、このトンネル窯で焼成を行い、ユニット化され製品となります。このユニット化もアイテムによってはオール手作業で行っているものもあるというのだから、びっくり(あっぱれ)。特にクラッシュタイルのように不揃いパーツを定型化するというのは、まさに職人技といえます!
施工方法
モザイクタイルって一粒一粒貼っていくの・・・超〜めんどいじゃん・・・と思った方、ご安心ください。モザイクタイルはユニット化(シートや裏ネットで一定サイズにまとめられている)ため、いっぺんにバン!っと貼っていけます。
また、一般的なタイルは端部を仕上げるにあたりタイル自体のカットが必要ですが、それにおいてことモザイクタイルはユニット部分をハサミやカッターでカットするだけ!工具やスキルがなくても、タイルを簡単にリサイズすることができます。規則性を持って並べた状態で固定されているので、メジ幅もきっちり、初めてのタイル施工にはうってつけのタイルなのです。
施工事例
タイルを気軽に取り入れられる「タイル雑貨」もオススメ!
少し肌寒くなってきた今日のこの頃、おうち時間や休日をつかって、モザイクタイルDIYからタイル生活をはじめてみませんか?
施工やタイルクラフトは大変そう!という方には、一点物のハンドメイド雑貨もおすすめです。
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